リプトン

今週のお題「好きなお茶」

普段は特に好んで飲んでいるお茶というものはない。しかし、大学受験の時にはあまりにも偏ったティーライフ(ティーライフという言葉はダサい気もするが)を送っていたのである。

いや、ティーライフと呼ぶには少々優雅さが足りないような気もする。大学受験というものはこの世で、かなり過酷な作業を強いられるものである。模試でなかなかいい結果が出ないと、この世の終わりのような心の荒み方をする地獄のような時間である。ところが地獄の時間にも救いの手は存在する。それは自動販売機の飲み物である。

高校生になってから学校に自動販売機があるという状況に興奮し、1年生の時に毎日のように買っていたという人は多いだろう。基本的に2年生になったら、その興奮というのは収まるのだが、3年生になって再燃する人が多い。その理由はやはり大学受験という過酷な日々の中で、比較的安価に幸せを手に入れることができるからである。

私もその救いの手を利用していた人間の一人である。そこで毎日のように飲んでいたのがリプトンのレモンティーである。高校生、とりわけバイトが禁止の高校生というのは常にお金というものに飢えており、常にどのようにお金を使うかというものを考えていないとお金が尽きてしまう生き物である。その中でたった110円でそれなりの幸せを享受してくれる飲み物であるので、何度か買った人は多いだろう。

私も最初は150、160円ほどするペットボトルよりも値段が安いという理由で買っていたのだが、徐々に謎の中毒になっていき気づけば毎日飲んでいたのである。そこまで味が極端においしいというわけではないのだが、なぜか飲んでしまうのである。私の知り合いにも同じような経緯で、リプトンのミルクティーを毎日飲んでいる男もいた。それも複数である。これはもうリプトンが何かしら法律的にグレーなものを入れることによって、我々を中毒症状にしているのでは?という疑惑をかけたこともある。

毎日リプトンを飲んでいる人たちと輪になって飲むレモンティーは、これがまあうまいのである。リプトンの新作の紅茶が出るたびに買っていたのだが、一週間はそれを飲み続けるのだが結局レモンティ-に戻ってしまうのである。お弁当のごはんとは絶望的に合わないのだが、それでもご飯と一緒に飲む。

高校時代に一番一生懸命やったことは何ですか?と聞かれればそれは、リプトンのレモンティーを飲んだことである。というか人生で一番頑張ったことは何ですか?と聞かれたらそれは、リプトンのレモンティーを飲んだことである。これよりも打ち込むものは今後現れるのだろうか。