道路を直角に曲がってた時期

私には道路を直角に曲がっていた時期がある。

 

そのきっかけは私が小学校6年生の時だ。

同じクラスの鈴木さん(仮名)が小説の最新刊を読んでいた。

私はその小説のシリーズを読んでいて最新刊を持っていなかったので貸してほしいと頼むことにした。

「その本貸してくれない?」

「お母さんに聞いてみるね」

そして翌日

「〇〇君はいい子だから貸していいってお母さんが言ってたから貸してあげるね。」

やった!読めるぞ!と思った矢先ある考えがよぎる。

「いい子じゃなかったらまずいのでは」と。

 

幼き頃からとてもネガティブだったのでこんな考えに行きついてしまいまった。インスタグラムで自己啓発投稿をしている人に怒られそうな考え方である。たぶんやつらは「ポジティブこそが幸せだ」と言ってくれそうである。わざわざどうも。

 

それはさておきとにかく鈴木さんの前でいい子にしなければおしまいだと当時の私は思い、たくさんいい子ちゃん行動をした。給食を残さず食べたり、先生へのあいさつをでかめにしたり。そのなかでも気に入っていたのは道路を直角に曲がるという行動である。

 

ちょうど卒業式の練習があるシーズンだったので直角に曲がることが正義だと思っていた。鈴木さんの前を通るときはもちろん、鈴木さんがいないところでも千賀のフォークみたいに曲がっていた。

 

その結果無事に何事もなく鈴木さんに本を返し、今の今まで無事に生きていることができている。

この文章を読んでくれている人の中には家族に褒められたい、上司に褒められたい、彼氏彼女に褒められたいなどと思っている人がたくさんいるだろう。

そこで私は直角に道路を曲がることをお勧めしたい。

いい報告待ってます。